在留外国人に関して
在留外国人について
現在震災事業や2020年の東京五輪開催に向けて、外国人労働者の受け入れについて様々な議論がされています。
今年の日経新聞の記事で国家戦略特区に関するもので、在留資格の緩和について書かれています。そもそも国家戦略特区とは、「国家戦略特別区域法」という法律が2013年に成立したのを受けて、安倍政権が新しい経済特別区域構想としてスタートしました。
また経済特別区域として地域を指定して、色々な規制を緩和し、景気回復を行うというものになっています。これはアベノミクスの第三の矢として、期待されています。
そして、国家戦略特区として、外国人受け入れ地域が東京圏、関西圏、福岡市などに設定され、今年の春より政策がスタートしました。現在の入国管理規制では、日本国内に前もってオフィスを確保したりする必要があり、入国が非常に難しい状況でした。しかしこの特区ではこの条件は緩和されました。さらに創業後の事業計画などを提出すれば、数年間の在留資格を与える。また、在留外国人に関して
日本人が立ち上げたベンチャー企業で働く場合も、在留資格緩和の対象となりました。
現在の仕組みでは、研究者や専門性の高い技術者は「高度な人材」として定められています。それ以外の方は「単純労働者」となり、日本で働くことが原則できない状況でした。
今までは家事を手助けする仕事も「単純労働者」と見なされ入国はできませんでしたが、今回は特区では認めることとなりました。
このような国家戦略の中に国家戦略特区として福岡は指定されています。政府の中でも、福岡は外国人の受け入れする際の重要な拠点と考えられていると思われます。福岡が選ばれた理由として、そもそも外国人が多くいるということで選ばれたと思われます。
在留外国人統計2013年版を見てみましょう。
在留外国人の数でいうと、東京(400,828人 1位)や埼玉(120,809人 5位)、神奈川(163,906人 4位)などの関東地方がもちろん上位を占めています。また福岡は9位となっており、54,275人になっています。九州ではもちろん1位となっており、多くの外国人が来ています。
このようなデータからも福岡では外国人を受け入れる土壌があると言えます。
外国人労働者について
次に外国人労働者に関しても考えてみます。また、福岡県内の外国人労働者数が、2013年10月末時点で、外国人雇用届出制度が創設されて以降過去最多になったと発表されています。
福岡労働局が2月28日発表したもので、1万5,952人(前年同期比14.8%増)になっています。
在留資格は、留学生の資格外活動が最も多く、5,927人(全体の37.2%)。次いで、日本人の配偶者を持つなど「身分に基づく在留資格」が3,674人(同23.0%)、「専門的技術的分野」が2,752人(同17.3%)、「技能実習」2,698人(同16.9%)の順でした。
このように外国人労働者に関していっても、過去最高の数字を記録しています。
国籍別 | 人数 | 全体比率 |
中国 | 8,242人 | 51.70% |
ネパール | 1,628人 | 10.20% |
フィリピン | 1,432人 | 9.00% |
ベトナム | 1,323人 | 8.30% |
韓国 | 848人 | 5.30% |
在留資格別 | 人数 | 全体比率 |
留学生の資格外活動 | 5,927人 | 37.20% |
身分に基づく在留資格 | 3,674人 | 23.00% |
専門的技術的分野 | 2,752人 | 17.30% |
技能実習 | 2,698人 | 16.90% |
今後の展開
上記のように「国家戦略特区」などの国の政策もあり、関東地方を中心として活発に外国人労働者を受け入れが始まりました。もちろん福岡に関しても、受け入れが進んでいます。新たに外国人家事支援人材の入国・在留、外国人を含めた起業促進のための各種申請窓口を集約した「ワンストップセンター」の設置などスタートしています。
このように外国人の在留サポートに関しても受入れ体制は徐々に整ってきていますが、現状では就労ビザの取得時のトラブルもまだまだ少なくありません。在留外国人がビザを申請する際には、先程にも触れていると思いますが、技術職であったり、自国で同職を10年以上働いているなど色々な要件があります。このような要件が厳しい部分もあるので、不法滞在が増えており、トラブルにつながっています。また、仮に要件を満たしているのにも関わらず間違った方法でビザ申請をして、失敗する場合もあります。ましてやビザの申請が却下されてしまった場合は、「次にまた申請すればいいじゃないか」と軽く思う人もいるかもしれませんが、実際はそれだけでは済みません。次に正しく申請したとしても、通らないケースがあり、そうゆう面でも注意が必要になります。
また、ビザにも就労ビザや技能ビザなど種類に関してもたくさんあり、混乱を招く場合も出てきています。自分にはどの種類のビザが合ってるのかもしっかり確認する必要があります。
そして今後、さらに国の政策で外国人が多く福岡にも来ると思います。ですので、福岡でビザ申請をお考えの方は是非一度お問い合わせ下さい。